2024/07/10解決事例
頭部外傷事案にて後遺障害12級が認定され、当初の賠償提示額を大幅に上回る示談が成立しました
【事案の概要】
依頼者は駐車場内で歩行中に車にはねられ、路面に頭部を打ち付けて外傷性クモ膜下出血等の傷害を負い、2か月以上入院の後、定期的に通院して経過を見ていましたが、事故から10か月ほど経った後、相手方保険から示談提示を受けました。
しかし、依頼者は日常生活の中で時々ふらついたり、頭が痛くなることがあり、今後も病院にかかる可能性があるのに、相手方保険の提示額は少なすぎるのではないかと疑問に感じ、相談に来られました。
弁護士が相手方保険の示談提示内容を確認したところ、頭部外傷による後遺障害の等級申請もなされずに、通常の入通院事案として慰謝料や休業損害(主婦休損)が算定されていました。
そこで、弁護士が入通院先に後遺障害診断書の作成を依頼するとともに、画像を取り寄せて自賠責保険に被害者請求行い、日常生活状況報告も追加提出した結果、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号の認定がなされ、相当する自賠責保険金を受領することができました。
その結果もふまえ、後遺症逸失利益や後遺症慰謝料も算定して相手方保険と示談交渉をした結果、自賠責保険金を含めると、当初の提示額より約800万円の増額となる示談が成立しました。
【コメント】
事故により頭部を打ち、脳挫傷や外傷性クモ膜下出血等の負傷があり、意識障害が見られた場合には、高次脳機能障害の有無を疑います。依頼者も事故直後に軽い意識障害がありましたが、幸いその後の回復が早く、手術等はせずにリハビリ、経過観察にて日常生活に復帰することができました。
自賠責保険の基準では、脳外傷による脳挫傷痕の残存が認められれば、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとして12級13号が認定されることがあります。「異常行動がないので、高次脳機能障害には当たらない」とあきらめずに、資料を添えて自賠責保険に請求することで、正当な賠償を受けることが可能となります。